こんにちは。シンバです。
普段サロンワークをしていても、ブログを通じてもご相談が多いのが「ホームカラー/セルフカラー」のご相談です。
特に白髪染めに関しての相談や質問が多いので、今回は市販の白髪染めとサロン用の白髪染めを実際に比較してみました。
美容師の本音としては種類に関わらず、セルフでのカラーは積極的におすすめ出来るものではありません。
その理由としては、
・のちに明るくしようと思っても明るくしづらくなる
・色味を変えようと思った時にも赤味が出やすく、思った通りの色が出づらくなる
・どうしても色のムラや傷みのムラが出やすく、その後のパーマやカラーが思い通りにならない、といったリスクがある
こういったことが代表的なものになります。
ただし、現実的にはいろいろな理由や場面でご自身でのカラーリングもせざるを得ない状況もあることと思います。
逆にセルフでのカラーのメリットとしては、
・好きなときに短時間で行える
・価格が安い
・とにかく手軽にできる
こういったところでしょうか。この点のみではないと思いますが、単純に比較すればサロンでのカラーではカバーしづらい部分でもあります。
そういったときにこの記事が少しでも役に立てればと思います。
今回比較検証に使用したアイテム
まずは今回この記事を書くにあたり比較に使用した薬剤を紹介しておきます。
こちらの2つです。
選んだ理由はシエロに関してはどこでも手に入りやすく、Amazonやドラッグストアに行っても売れ筋とされている率が高かったからです。
またクリームタイプだったのも理由の一つです。泡カラーは基本的におすすめしません。理由は後述します。
オルディーブに関しては、僕自身が普段から使用していること、またミルボンというのは業界でも最大手のメーカーです。単純に比較がしやすいかなと考え選んでいます。
色味はどちらも一番ベーシックな色味で、なおかつ明るさの幅が広いものを使用しています。
検証の仕方
実際に検証に使ったのはこちらです。
白い毛の束と黒毛に白い毛が30%混じっている毛の束です。
これが白いのです。
こっちが白毛混じりです。
やり方は単純に、1つの色に対して2つの毛束を染めていきます。
放置時間はそれぞれの薬剤の説明書に則ってシエロは25分間、オルディーブは30分間で設定しています。
こんな感じで染めていきます。
そして規定の時間が経ったらシャンプーしてトリートメント、そのままドライヤーで乾かします。
染め上がり
以下が染め上がりの写真です。ややこしいんですが、シエロは番号が若いほど明るめで、オルディーブは逆です。若いほど暗くなります。
(*スマホだと見にくいですが、画像をクリックすると見やすくなります。)
白い毛束のシエロ。感想としては色素の濃さがかなり幅がある感じ。正直白髪染めにしては薄めだなー、って感じました。
それから6番だけはかなりマット(緑っぽい)な色味です。
次に白毛束のオルディーブ。いつも使ってるんで感想はないんですが、こちらは均等に色素の量が入っている感じ。上のシエロと比べると差は歴然です。
白毛混じりの毛束のシエロ。これもわかりにくいんですが上の白の毛束ほど1番と6番の差は大きくないです。1~3番はやや白髪が浮いているのが肉眼だとわかる感じ。
白毛混じりの毛束のオルディーブ。これも写真だとわかりづらいのですが、白い毛束の通り、均等な明るさの仕上がりです。白髪の浮きもないです。
より大きな画像でみてみたい方は下の画像をクリックしてください。
仕上がりからわかったこと
以上の毛束での検証をしてみてわかったことやポイントをまとめてみます。
まず明るさのレベルについてですが、オルディーブを基準にするなら・・・
- シエロ1番 → 10レベルくらい
- シエロ2番 → 9.5レベルくらい
- シエロ3番 → 9レベルくらい
- シエロ4番 → 8レベルくらい
- シエロ5番 → 7レベルくらい
- シエロ6番 → 5.5レベルくらい
僕自身の目視でですがだいたいこんな感じでしょう。
また、色素量から考えるにそこまでシエロはリフト力強くないのかな、という印象です。リフト力をギリギリに設定しつつ、色素量で仕上がりの明るさをコントロールしている、といったイメージでしょうか。
毛先まで塗ることを考えれば確かにそれがいいのかもしれませんが、白髪の染まりの良さや色持ちはオルディーブの方がきっといいでしょう。単純に色素の量・濃さが全然違います。
ただし、安易にだからサロンカラーがいいというわけではなくて、そもそものコンセプトが違うので当たり前の結果のようにも思えました。
大事なのはこの結果を踏まえた上でどう使うか?ですね。
結論 セルフでどう使うのがおすすめか?
もしもどうしても自分でカラーをしなければならない時には、いくつかのことを守ってもらえれば次回以降のカラーへの影響を最小限にとどめたり、ダメージも最小限にできると思います。
その条件というのが、
- シエロのようにクリームタイプを使う
- 塗る時にはブラシやクシではなくハケを使う
- 2cm以内のリタッチ(根元部分)のみ、すでに染まっている毛先には絶対につけない
- 自分で見える部分のみ染める(誰かに塗ってもらうのなら後ろも可能)
以上の4点です。
順番に説明します。
①クリームタイプの薬剤を使用する
これは先に書きましたが、根元部分のみに塗れるようにです。最近多い泡カラーなどは塗りやすくてムラにもなりにくいというのがメリットでもあるのですが、確実に毛先にも薬剤がついてしまいます。
あくまで前回染めてから生えてきた部分のみを染めるのならばクリーム状のものが一番使いやすいと思います。
②塗る時にはハケを使う
市販のカラー剤は薬剤だけでなく、髪の毛を染めるのに必要な道具一式は入っているものですが、塗る時に使うのはこういったブラシやクシ状のものが同梱されている場合がほとんどです。
毛先まで塗る場合は確かに便利なのですが、僕はこれを使わずにハケを使うことをおすすめします。
こういったタイプのものが100均などで売っています。かならずハケです。こういったタイプでないと絶対に根元のみに塗るのは不可能なので必ず使用しましょう。
こういうのもあります↓↓
③2cm以内の根元部分のみ染める
あくまで目安ではありますが、2cm以上を自分自身できれいに染めるのはかなりテクニックがいります。
逆に言えば2cm以内であれば比較的簡単に塗りやすいのでこれも大切なポイントです。
目安は「前回染めてから2ヶ月以内」です。
④自分で見える部分のみ染める
これはしつこいようですが、絶対に毛先に薬をつけないようにするための条件です。
生え際から耳のあたりまで、分け目付近などの見える部分のみ染めましょう。
ヘアスタイルなどにもよりますが、顔まわりと表面が染まっていれば中は見えまいことの方が多いです。
おまけ
薬剤の選ぶ基準ですが、今回使用したシエロであれば4番か5番がオススメです。
当然ながら明るさや髪質などにもよりますが、白髪を染めるという目的であればその2つが一番ちょうどいいと思います。
1~3番はやや染料が薄く、6番は逆に濃いのと緑味がかっているので次回以降のカラーに影響する可能性があります。
そういった意味合いから、幅ひろい髪質や明るさに使用しやすいのは今回ならば4 or 5番です。
最後に
かなり長くなってしまいましたが、参考になりましたでしょうか?
[kanren postid="4522"]こういった記事も書いているのでサロンカラーとセルフカラーの違いをより詳しく知りたい方はどうぞ。
あくまで美容師としては本音ではあまりセルフカラーはおすすめできないのですが、それでもどうしても困った時にこの記事がお役にたてればと思います!